上杉周作

歴史家

シリコンバレー随一のベンチャーキャピタル・アンドリーセン・ホロウィッツ。その共同創業者であるベン・ホロウィッツ氏が書いたThe Hard Thing About Hard Thingsを読んでいる。良著だが、執筆時点ではまだ和訳は出ていない。

読み始めてすぐに心に残った文を紹介しよう。1995年にホロウィッツ氏がネットスケープ社の面接を受けたときの話である。

ネットスケープ社は、史上初のウェブブラウザ・[Mosaic](https://en.wikipedia.org/wiki/Mosaic_(web_browser)を開発したマーク・アンドリーセン氏が当時創業したばかりの会社だった。弱冠22歳のアンドリーセン氏について、当時29歳だったホロウィッツ氏はこう語っている

Interviewing with Marc was like no other job interview I’d ever had. Gone were questions about my resume, my career progression, and my work habits. He replaced them with a dizzying inquiry into the history of email, collaboration software, and what the future might hold. I was an expert in the topic, because I’d spent the last several years working on the leading products in the category, but I was shocked by how much a 22-year-old kid knew about the history of the computer business. I’d met many really smart young people in my career, but never a young technology historian. Marc’s intellect and instincts took me aback, but beyond Marc’s historical knowledge, his insights about technologies such as replication were incisive and on point.

(拙訳) マークとの面接はまさに型破りだった。経歴や仕事ぶりについては一切聞かれず、かわりにEメールやグループウェアの歴史や未来について畳み掛けるような質問をされた。これらの分野での職務経験が豊富だったわたしから見ても、たった22歳のマークが持つ歴史知識には度肝を抜かれた。頭の良い若者はたくさん見てきたが、若い「テクノロジーの歴史家」に出会ったのは彼が初めてだった。彼の知性と野生の勘もさることながら、レプリケーションなどの情報技術について語らせてみても、マークは鋭かった。

ホロウィッツ氏は面接に合格し、その後アンドリーセン氏と共に、マイクロソフトのInternet Explorerを相手に第一次ブラウザ戦争への道を歩むことになる。20年後の現在でも、ふたりはアンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者としてシリコンバレーの最前線で活躍している。

歴史家

わたしは2012年秋から教育分野で働いているのだが、最近になって、教育史の知識が足りていない自分に嫌気が差すようになってきた。ホロウィッツ氏の文を読んだ時も尚更そう思った。2015年は教育史を真面目に勉強しよう。27歳を目前にしてそう決意した。

だが、やはりアウトプットする場がないとやる気が出ない。というわけで、教育史についての記事をいくつか書くことにした。英語のブログにしても良かったのだが、直近はアメリカの教育史を中心に勉強する予定なので、日本人向けに書いたほうが面白いかなと思っている。

「こいつは(教育の)歴史家だなあ」と初対面の方に思ってもらうことを当面の目標にしたい。

最初の記事はこちら。